2016/03/13

目からトゲ

道具が何もないときに限って、見てみたいと思っているムシと出くわすという、ほんとによくあるパターンにまたしてもハマってしまった。

ここ数年、泉南市のりんくうタウンに買い物に行くと、海を見てくるとかいいながら家族と離れ、人混みを抜け出して、いつもすぐ近くの海岸を1時間ほどさまようのを慣行にしている。
最初のうちは、海浜性の甲虫やカメムシを採集する意欲にみちていて、デジカメや吸虫管やフィルムケースを携えていたものだが、これといった種に出会うこともなく、近頃は道具を持つのもメンドくさくなって、全くの手ぶら状態でお散歩するだけだった。

今回も、お茶の500ccペットボトルだけを携えて、いつものように海藻だの流木だの石ころだのをひっくり返して、ハマダンゴムシやらアリ類などが蝟集するさまを引き気味に眺めていた。

すると、石の下に例の小さなカメムシをみつけた。外来種といわれていて、目にトゲが生えているヤツ。

この地で10数年ほど前に記録されたのを知って以来、ずっと一度は見てみたいと狙っていた。


翅が羽化不全ぽくみえる個体だが、半分ほど飲んだお茶の中に入れて、お持ち帰りさせていただいた。帰り道、興奮のあまり何度かそのお茶をウッカリ飲みそうになった。

トゲアラメカメムシ Patapius spinosus は、超広域にいるくせに食性などはよくわかってなくて、実験室的にはチャタテムシを食べたとか、地中海地域では少し内陸側の常緑樹林帯の川辺などでピットホールトラップ(イカ入り)で捕まるらしいので、死肉喰いか?とかって報文がでている。
日本では海岸のムシってイメージがあるけれど、アメリカとかでも、やっぱり川のほとりの木立で採れたりしてて、なんか結局よくわからん。